前回のブログ記事を書いた時に、Twitterにも投稿して記事を共有しました。
その時に頂いたリプライに、「ミスチル療法、爆誕!」というものがありました。
このコメントをいただいたことにより、私の中の何かに火がつきました。
今では、ミスチルを心理的なケアに役立てる「ミスチル療法」について、真剣にに考えていきたいと思っています。
今日は、その「ミスチル療法」をひとつ記事にしてみましたので、良ければご覧ください。
ふと自分に迷うときというのが、誰にでもあるものだと思います。
今の自分はこれで良いものだろうか。これから先、はたして大丈夫だろうか。と。
そんな時はどうしますか。どうしてきましたか。
いろいろな方法があると思います。私もいろんな方法を持っていますが、よくする方法があります。
それは、
・未来の自分に尋ねてみたり、想像したりすること
または、
・過去の自分に語り掛けたり、過去の自分になったつもりで、今の自分に語り掛けたりすること
です。
どういうことか、具体的に説明しようと思います。
まず、未来の自分に尋ねたり、想像したりする方法からです。
この考え方をするうえでとても役に立つのが、Mr.Childrenの「くるみ」を聴くことです。
「くるみ」というのは「これからくるみらい」のことです。つまり、未来を擬人化した呼び名が「くるみ」なのです。
この曲は、くるみに尋ねかける歌詞から始まります。
ねぇ くるみ
この街の景色は君の目にどう映るの?
今の僕はどう見えるの?
私は、この歌いだしを聴くだけで、自分の視点が少し上空に浮くような感じがします。
今の自分の境遇がつらいと思うとき。
今の自分の暮らしが充実していると思うとき。
今の自分はこれでよいのだろうかと思うとき。
いろんなときに、いろんな場面で、この歌詞とともに生きてきました。
「未来の自分から見ると、今の自分はどんな風に見えるのだろう。今していることは、これから先の人生にどんな意味を持つのだろう。それはわからないけど、後悔しないように生きよう。」
そんなことを考えるのです。「ねえ くるみ」と聴くだけで。
そしてひとしきり想像してみた後、希望に胸を震わせながら、今を生きていこうと思うのです。未来は誰にもわからないのだから、想像こそすれ、今を生きるのです。
進もう 君のいない道の上へ
このように、将来への「不安」というものを、少しでも「期待」へと変化させ、自分にできることをやろうと思える(ソリューションフォーカスアプローチ)ようになります。くるみを聴くことは、このように有効に働くのです。
さて次は、過去の自分になったつもりで、今の自分に語り掛ける方法についてです。
この考え方をするうえでとても役に立つのが、Mr.Childrenの「旅立ちの唄」を聴くことです。
この歌について、私は「過去の自分が今の自分に語り掛けてくれている歌」と解釈しています。すなわち、「今が未来だったころの過去の自分」に戻り、今の私に語り掛けるということです。
私にも、それなりに迷いや悩みを抱え、それを越えてきたという人生があります。
忘れっぽい性格ではありますが、たまに昔のことを思い出して懐かしく思うときもあるのです。
mixiの日記などを読み返すと、そのころの景色や気持ちを鮮明に思い出します。
大学生の時、アルバイトでミスばかりして、自分はダメ人間ではないかと思っていた頃もあります。
新人教師時代、小学校の荒れた学級をどうにもできずに、絶望していた頃もあります。
「自分は社会人としてまともに生きていけるのだろうか。」「人に迷惑ばっかりかけたり、受け持った子どもたちを不幸にしたりするのではないか。」
夢や理想と現実のギャップが、余計に自分の無力さを際立たせて、このように悲しくて惨めな気持ちになっていたことが何度もあります。
でも、心ある人の支えの中で、何とか生きている今の私がいるのです。
悲しみの最中にいるときには自分の良いところなどもよくわからなくなってしまうものですが、それを乗り越えてしまえば、あの悲しかったころの自分が、今の私に語り掛けてくれる、弱くとも頼もしい存在となるのです。
転んだ日は はるか遠くに感じていた景色も
起き上がってよく見ると なんか辿り着けそうじゃん
「ね。あの頃は "ダメだ…" とか思ってたけど、どうにか乗り越えたでしょ。」
「これまでだって、なんとかなったでしょ。これからだって大丈夫だよ。」
そんな風に、自分の歩んできた道という確かな事実を根拠に、励ましてくれるのです。
自分が誰か忘れそうなとき
ぼんやり想い出してよ
ほら 僕の体中 笑顔の君がいるから
背中を 押してるから
「僕の思い描いている未来の僕は、きっと笑顔だよ。」
「あのころの初心を思い出せよ。」
そんな風に、昔の自分が今の私の背中を押してくれるのです。すると、前を向けるようになるのです。
そしてうれしい副作用として、落ち込んでいたあの時の自分に対して、「きっと大丈夫だよ」「いつか一人ぼっちの夜は明けていくよ」と、慈しみをもって励ましのお返しができるのです。つまり、これまでの自分を認めてあげることができるのです。それは、今の自分を肯定することにほかなりません。
「不安がっていたあの日の自分よ。ほらみてよ、今の僕を。それなりにやってるからさ。」と、今の私の姿を見せてあげたいくらいの気持ちがわいてくるから、不思議なものです。これは自己肯定感の向上といえるでしょう。
「ちゃんとした大人になれるのかな…」と思っていたあの日の自分に、まったく本なんか読んでいなかった大学生のころの自分に、10年後のこの本棚を見せてあげたいものです。
「学校の先生として、ちゃんと働いてるよ」
以上が、過去や未来の自分と疑似的に交信することによってメタ認知し、視野狭窄的な悩みの負のループから脱することを通して「今」の自分のありのままを認め、自己肯定感の向上を図ると同時に未来への希望を抱くという、わたくしオリジナルのセルフケア技術です。
まだブラッシュアップの余地があり、未完成の療法ではありますが、ウーブ考案の「ミスチル療法」のひとつです。
これを「現在・過去・未来法」とでも名付けておきましょう。
参考出典
「くるみ」
「旅立ちの唄」
「過去と未来と交信する男」
「Everything(It's you)」